超高精細画像を用いたコンクリート構造物点検システム(AutoCIMA)

 道路や鉄道で使用されているコンクリート橋梁のひび割れ状況の近接目視点検は、以下のような問題があります。
  • 調査対象が高所であり、足場や点検車が必要となる。
  • 目視で行われている為、見落としの可能性がある。
  • 記録が手書きの場合、客観性がない。
  • 微細な作業であるため、工数を要する。
  • 記録管理が煩雑になり易い。
 AutoCIMA(Automatic Crack Inspection Management Assist System)は、このような問題を抱えている近接目視点検を効率良くかつ安全に作業できるようサポートする為のものです。

地上作業により安全性確保

足場や点検車などを用いず、現地作業の効率化と点検員の安全を優先した点検ができます。

自動撮影と貼り合わせ技術による効率化

対象範囲のコンクリート面を自動で撮影し、それぞれの画像を自動で貼り合わせることで、1枚の超高精細画像を作成します。

画像処理による自動ひび割れ検出

超高精細画像を高度な情報処理技術を用いて処理しているので、高いひび割れ損傷再現率を有します。

画像データによる経年変化の可視化

画像データの蓄積ができ、画像比較により「モニタリング技術」を効率的に用いて損傷の進行具合が容易に確認できます。

自動撮影


 コンクリート平面と正対して設置した電動雲台付きのデジタルカメラをPCで自動操作することでコンクリート面を撮影します。PC上で撮影範囲と撮影精度を設定することで、撮影計画(撮影画角と方向)を自動設定できます。
 1回の撮影でカメラの設置位置から±45°の範囲が撮影可能です(例:対象面までの距離が10mの場合、橋軸方向に20mの範囲が撮影可能)。また、0.5mm/画素の精度で撮影する場合、最大40m程度まで離れた位置から撮影することが可能です。
 撮影時間は、85m2(12.7×6.7m)のコンクリート床版下面で13分程度(撮影枚数:144枚)です。

※海上構造物など、カメラが固定できない場合や撮影距離が近くカメラの据替えが頻繁に発生する箇所では、デジタルビデオによる撮影システム(WalkCIMA)で対応しています。

画像の貼り合わせ


 自動撮影された画像は、撮影直後に2分程度の簡易貼り合わせによって撮影状態を確認できます(右図の上側)。また、植物等の障害物の影響で自動撮影では対象面に焦点が合致していない箇所の画像のみを、手動撮影で撮り直すことが可能です。
 簡易貼り合わせでは、色むらが存在し、貼り合わせ精度が低いため、撮影対象を1枚の画像として評価できません。そこで、画像処理により高精度貼り合わせを行います(右図の下側)。この高精度貼り合わせは、144枚の画像で15分程度要するため、現地では行わず室内作業にて実施します。高精度貼り合わせが完了した画像は、3.4億画素程度の1枚の超高精細画像となります。

ひび割れ検出


高精度貼り合わせ画像に対して、ひび割れの自動検出を実施します。
  • 0.2mm幅以上のひび割れを自動検出できます。(0.5mm/画素精度の撮影において)
  • ひび割れのみを検出するアルゴリズムの開発によって、型枠線や気泡の非検出を実現しています。
  • ひび割れ幅ごとに異なる色で表示可能
  • 近接目視に比べて80%程度のひび割れ認識が可能です。
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本点検システムは、NEXCO西日本グループ、(株)エルゴビジョンとともに共同開発した技術です。
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